伝統と現代が交錯する、ハイランダー音楽の教科書

アレクサンドラ・トボロヴィッチによる、山岳音楽の魂を描くデザイン

伝統的なポーランドのハイランダー音楽と山岳風景を現代のデザインに落とし込んだ、アレクサンドラ・トボロヴィッチの新作。音楽と風景、そして伝統と現代が交錯するこの作品は、音楽愛好家だけでなく、デザインに興味のある人々にも魅力的な一冊となっている。

本作は、ハイランダー音楽に焦点を当てた教科書であり、そのデザインは山岳風景と音楽編集プログラムによる音声記録を参照している。表紙のグラフィックは、山の地平線の眺めと音声記録を連想させる。さらに、それは水面の反射の視覚的な錯覚でもあり、ノートと指、つまり二つの異なる形で同じ内容を表現する反射も表現している。

本作は3巻からなり、「理論」「指表記」「音楽表記」の3部門に分けられている。これらは、ハイランダー音楽の秘密を学びたい人々が熟知すべき録音とともに提供されている。表紙の画像は鮮やかで、表現力があり、強烈な緑と深い黒の対比がハイランダー音楽の感情性とエネルギーを強調している。

また、本作の製作にはシルクスクリーン技術が用いられており、表紙に印刷されたタイトルとグラフィックはこの技術によるものである。3巻をまとめる伸縮性のあるバンドは、音声処理プログラムの垂直線（"スケール" - マーカー）を連想させる。赤い色のアクセントは、表紙の緑と黒と対比し、追加のエネルギーを与えている。

本作は、最も重要で美しいハイランダーのメロディと歌のアンソロジーであり、しばしば忘れられたり、あまり演奏されない曲を集めている。そのため、本作は音楽愛好家だけでなく、デザインに興味のある人々にとっても魅力的な一冊となっている。

本作は2021年にA'プリントアンドパブリッシュメディアデザイン賞のブロンズを受賞しており、芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを組み込み、強力な技術的・創造的スキルを発揮し、生活の質の向上に貢献している。